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会報136号(2016.2)3頁

 (公社)富山県鍼灸マッサージ師会による会報136号(2016.2)3頁です。

定期学術講習会 スポーツ現場における鍼灸マッサージ

 富山支部 竹元 泉

 平成27年9月6日(公社)富山県鍼灸マッサージ師会主催の定期学術講習会が富山県鍼灸マッサージ師会館にて開催されました。演題は「スポーツ現場における鍼灸マッサージ」、講師は帝京大学医療技術学部非常勤講師の朝日山一男先生でした。11月1日に行われる富山マラソンボランティアに向けての講習会の2回目です。

 ボランティアとしての現場での心構え、活動のノウハウはもちろんですが、「鍼灸マッサージ師がなぜ運動にかかわるのか」「鍼灸マッサージ師が国民の医療として位置づけるグランドデザインが必要」との内容もあり、そちらのほうに興味が湧きました。

 国民の健康を総合的にとらえる東洋医学のトータル的な考えを指導する健康指南役というのが今の鍼灸マッサージ師に求められているのではないか?運動・栄養・休養・心の健康の指南役です。私も、運動・栄養など生活指導を含めて治療したほうがいいだろうと行ってきたつもりでしたが、まだまだ知識が足りないのを実感させられました。

 @人間は動物である。
 Aしかも人間は汗をかく動物である。(汗をかくことで体温調節ができるようになり長時間労働が可能になった)
 B死ぬまで動き続けなければならない運命にある。

 という特徴がある。現代は普段から汗をかかない生活をしているので、それが熱中症になりやすい原因の一つと考えられるそうです。これだけ近代化され豊かな時代になると、人間が本来持ち合わせた働きも削られつつあるように思います。運動・栄養・休養・心の健康は、動物の一種である人間にとって、どうあったほうが自然なのか?もう一度考えるきっかけになりました。

 朝日山先生が所属されている神奈川県鍼灸マッサージ師会では基本理念というものを作成されています。スマイル神奈川「私たちはみんなの笑顔の創出と健康寿命の支援を通じ社会に貢献します。」その後にクレド(ラテン語で「志」「信条」「約束」を意味する言葉)4項目が続きます。基本理念は団体、また個人としても活動する上で必要なものだと思いました。

 ショッキングなデータもありました。「我が国における鍼灸受療状況、「医道の日本」2015年8月発表では4.9%」国民の医療となりうるのか。国民に必要とされる医療の一端を鍼灸マッサージ師が担っていけるように、早く残り95%のマーケットを開拓して行きたいところです。

講演される朝日山先生
講演される朝日山先生

朝日山先生の実技指導
朝日山先生の実技指導