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会報139号(2017.7)2頁

 (公社)富山県鍼灸マッサージ師会による会報139号(2017.7)2頁です。

巻頭言

 会長 中野邦雄

 先日の29年度定時総会におきまして会長に選任され身が引き締まる思いでおります。また一期2年間務めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

 昨年度も県民に役立つ公益事業として「県民公開講座」、「学術講習会」「マッサージのボランティア」「全国ビーチボール大会や富山マラソンにおいての競技者に対するケア」に取り組んでまいりました。本年度も昨年と同様に行っていきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。

 最近の会員減少には危機感を強く感じます。全国組織でも問題になっておりまして、日本鍼灸師会では卒後の新入会員を研修会員として会費の減免はかり、諸事情で休会している会員にも正会員の扱いで会費の減免を図っています。当師会も先の総会において入会金を4万円から1万円にいたしました。研修会員制度もいずれは検討しなければと思っています。会員減少に歯止めをかけるため一人でも多く新入会員の獲得に努めなければなりません。

 平成29年5月26日に消費者庁から無資格者の施術による健康被害情報が公表されました。平成21年9月〜平成29年3月の間で1.483件(月平均16.3件)、そのうち治療期間が2か月以上の重傷となるものが240件で全体の16% になっている。
 その内訳ですが整体は467件(重症80件)、リラクゼーション251件(重症36件)カイロ(重症45)リンパ、オイル、アロマ90(重症14)骨盤、小顔矯正72件(重症3件)リフレクソロジー59件(重症2件)その他・不明323件(重症60件)です。
 厚生労働省の対応として都道府県に対して無資格施術所へ指導の依頼・施術による健康被害についての相談窓口の設置・広告規制の見直しを打ち出しています。厚生労働省もやっと重い腰を上げてくれました。ただ規制ではなく行政指導にとどまっているのは納得がいきませんが、一歩前進だと思っております。

 ようやく悲願の受療委任制度が平成30年までに制定されることとなりました。協会けんぽ・共済組合・国保・後期高齢者医療は了承しましたが、健康保険組合が不正防止を理由により、あくまでも償還払いを主張したため、受療委任は保険者の裁量になってしまいました。これでは受療者に差別になります。何卒、全ての保険者で取り扱いが出来るよう全国組織から働きかけていただきたいと思います。
 受療委任制度は受給者の便宜を図るためのものです。会員の皆様はくれぐれも不正請求を行わないよう心がけてください。

 鍼灸マッサージは病気を攻撃する治療ではなく、身体を活性化して自然治癒力を目覚めさせる治療です。心と体にやさしい素晴らしい治療ですので、誇りをもって広げていきたいと思います。