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会報138号(2017.2)2頁

 (公社)富山県鍼灸マッサージ師会による会報138号(2017.2)2頁です。

巻頭言

 会長 中野邦雄

 新年あけましておめでとうございます。会員の皆様方におかれましては健やかで明るい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。世界に目を向けてみますとアメリカはドナルド・トランプがまさかの次期大統領に就任、イギリスはEU離脱。ロシアはクリミア半島侵攻、中国は南シナ海支配。大国が自国さえよければよいという傾向が強くなってきたと思います。私は親から「自分さえ良ければいいのか」と叱責され、これは恥ずかしいことだと諭されたことを思い出します。世界各国が世界全体の利益を図る外交を増進させ、国際社会の平和と安定が実現することを切に望みます。

 我が師会は昨年度も県民に役立つ公益事業として「県民公開講座」、「学術講習会」「マッサージのボランティア」「全国ビーチボール大会のボランティア」、「富山マラソンにおいて競技者に対するケア」に取り組みました。本年度も昨年同様に取り組んでいきたいと思いますので皆様のご協力をお願いいたします。

 あん摩マッサージ指圧師、はり師,きゅう師の質の向上を図るため、養成学校のカリキュラムが改正され、あん摩マッサージ指圧師課程は85単位、はり・きゅう師課程は94単位、あはき課程は100単位に引き上げられます。新卒者の技術レベルの低下が懸念されることにより、臨床自習が一単位から4単位と大幅に充実され平成30年4月の入学生から適用されます。また、養成学校内だけ臨床自習が行われていますが一定条件をクリアすれば施術所でも臨床自習ができるようになりましたので会員の先生方の受け入れ申し込みをお願いいたします。

 厚生労働大臣免許保有証が東洋療法研修試験財団より発行されたのに引き続き、施術所の開設の届出をした旨を広告することができるようになりましたので、富山県医務課に戸外に掲示できるようなわかりやすい開設届書を作製してくださるよう昨年12月にお願いしたところ快くご了承いただきました。このように無資格者との差別化を図ってきましたので会員の皆さんは無資格者に負けないように自信を持って施術していただきたいと思います。
 療養費検討専門委員会において一部負担金でかかれる(受領委任払)制度導入の検討が行われました。施術者側から患者の利便性を考慮してかねてより受領委任払いを求めております。現在の民法上の代理受領では厚生局の指導監督権限がないので不正に対して指導、処罰ができません。それ故に社団が自主的に指導を行っております。
 この法律上の不備を突いて訪問マッサージの業者などの高額の不正請求が発生しています。社団は指導を厳しく行っていますが、同様に見られているのが現状です。今後も受療委任制度の導入を強く求めてまいります。一方で保険者側から不正請求の発生への懸念等の意見があり非常に難しい状況ですが、平成29年3月末に結論が出る見込みです。末尾になりましたが会員の皆様の益々のご活躍、ご健勝とご発展を心より祈念して新年の挨拶とします。